こんにちは。神奈川県藤沢市の歯医者、藤沢ギフト歯科・矯正歯科の黒木です。

最近当院で取り扱っている歯磨き粉や歯ブラシを見直す機会がありまして、なるほどね〜と思ったことがいくつかありました。

よく、研磨剤が入ってないものを選びましょう、とかフッ素濃度が高いものを選びましょうという話がありますね。また、フッ素に関しては様々な話がありまして、フッ素入りの歯磨き粉をあえて避けている方もいらっしゃいます。当院の考え方がどのようなものかをまとめておこうと思います。

歯磨き粉の主な成分

薬効成分(薬用成分)

何を主な目的としているのかを決める主役の成分です。薬用成分として認められているものはたくさんありますが、例えばフッ素なら虫歯予防、酢酸トコフェロール(ビタミンE)なら歯周病治療、塩酸クロルヘキシジンならプラーク形成阻害を目的としています。

基本成分

清掃剤、発泡剤、湿潤剤、香味剤等があり、歯磨き粉の使い勝手を左右する成分です。ここにある、清掃剤がいわゆる研磨剤を意味しています!

その他の成分

着色剤などです。歯磨き粉といえば、赤と青と白のストライプのものをたっぷり歯ブラシに乗せるというイメージが湧く方もいるかもしれません(笑)バッチリ着色剤です。

 

歯磨き粉の効能

虫歯予防

フッ化物(フッ素)や薬用ハイドロキシアパタイトなどがあります。フッ素には歯を強化する作用、歯の再石灰化を促す作用、プラーク形成を抑制する作用があり、日本全体の虫歯の減少の一翼を担ったと言われています。フッ素は幼少期に多量に摂取すると、永久歯に白い白斑が生じたり、形成不全が生じます。これを歯のフッ素症と言います。0~8歳まで、毎日0.1mg/kgのフッ素を摂取すると、最も軽度な歯のフッ素症になると言われています。このことからフッ素は悪者にされる場合がありますが、適正量であれば、永久歯に影響はありません。

例えば4歳の子供は、体重は15キロ前後ですね。計算すると毎日1.5mgのフッ素を摂取し続けると、最も軽度の歯のフッ素症になります。適性摂取量はその半分の0.75mg/日であり、フッ素濃度500ppmの歯磨き粉だと一日1.5gまでが適正量です。当院で使っているものは1チューブあたり60g入っているので、40日で使いきると、適正量を超えているということですね。ですから、歯磨き粉は2ヶ月くらいで使いきるイメージが良いと思います。ライオンのHPに使用量の目安が載っているので、こちらをご参照ください。https://www.lion-dent.com/client/products/basic/checkup_k.htm

ちなみに当院ではフッ素の濃度は就学前は500ppm、就学後は950ppmを推奨しています。

フッ素は通常の食品からも摂取していますが、量は多くないので、通常は問題視されません。

薬用ハイドロキシアパタイトは比較的高級な歯磨き粉に配合されています。リナメルが有名です。

歯周病予防

ビタミンE、塩化ナトリウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウムなどたくさんあります。多すぎて困るので割愛!

口臭予防

ラウロイルサルコシンナトリウムという成分は当院にある歯磨き粉にも含まれています。舌を噛みそうです。その他にヒノキチオールや塩化リゾチームなどがあります。口臭予防目的に配合されているものは殺菌作用があり、原因菌の繁殖を防ぐ効果がありそうです。

知覚過敏対策

シュミテクトに含まれているのが硝酸カリウムという成分で、歯の神経の過敏性を抑える作用があります。別の歯磨き粉では乳酸アルミニウムが加えられているものがあります。乳酸アルミニウムは神経への伝達経路を物理的に塞ぐ作用があります。→知覚過敏についてはこちらhttps://www.gift-dental.com/多くの方が1度は感じたことがある知覚過敏%E3%80%82原因/

ホワイトニング(ステイン除去)

これは紛らわしいですね。本来ホワイトニングとは、歯の表面を白くするのではなく、歯の内部を白くすることです。歯磨き粉が唄うホワイトニングは、歯の表面のステイン除去のことです。確かにステインを除去できれば歯は白くなりますからね。

ステインやプラーク除去のためにリン酸カルシウム、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなどが配合されています。

リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、無水ケイ酸などは清掃剤、いわゆる研磨剤です。しかし、通常使用で歯を削るほどの力はないと考えて良さそうです。昔は、荒い粒子の研磨剤が使われており、歯が削れるリスクもあったようです。確かに私の母の前歯は歯磨きのしすぎで削れていました(笑)荒い研磨剤の副作用だったのではないかと推察します。

一方、ポリリン酸ナトリウムや、ピロリン酸ナトリウムは清掃助剤というくくりです。イオンの力で、ステインを歯の表面から浮かせます。

最近の優しい研磨剤でも嫌だという方は、ジェルタイプの歯磨き粉を使うのが良いです。これらには研磨剤は入っていません。欠点は、ステインが比較的つきやすいということです。

ですから、ジェルタイプとペーストタイプの2種類の歯磨き粉を用意して、メインをジェルにして、時々ペーストでステインを除去するなんて使い方がいいんじゃないでしょうか。私は電動歯ブラシを使用しているので、メインをジェルにしていて、たまにペーストでステインを除去しています。

歯磨き粉 成分、効果、効能のまとめ

歯磨き粉には薬効成分、基本成分、その他の成分があり、いわゆる研磨剤は基本成分に含まれる清掃剤のことを指すが、現在の研磨剤は通常使用で歯を削るリスクは低い。

歯磨き粉の効能は成分によって異なり、虫歯予防、歯周病予防、知覚過敏対策、ステイン除去等をターゲットにしたものがある。目的にあった歯磨き粉を選ぶのが良い。

フッ化物を配合した歯磨き粉の普及によって子供の虫歯は大きく減少した。フッ素の虫歯予防効果は確かであり、適正量のフッ素であれば安全に使用できる。

 

今回は医院の商品を見直しながら、歯磨き粉に少し詳しくなることができました。どんどん新しい歯磨き粉が発売されますので、まだまだ勉強は続きます。

藤沢ギフト歯科・矯正歯科では個々の患者さんにあった歯磨き粉をお勧めしています。藤沢にお住いの方も、そうでない方も歯磨き粉で悩む場合はぜひご相談ください。

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