こんにちは。藤沢ギフト歯科・矯正歯科の黒木です。

明けましておめでとうございます。

2022年の最初のブログは未来のことを書いてみようと思います。

みなさま、2040年問題のことはご存知でしょうか?

2040年には、高齢者(65歳以上)の人口がピークに達し、高齢者1人を1.5人の現役世代(20−60歳)で支える必要があると言われています。具体的には、高齢者人口が4000万に達し、現役世代は6000万になります。

1960年は11人の現役世代でお一人の高齢者を支え、2010年には3人で支えることになりました。それが、1.5人になるわけです。

現役世代も、高齢者も大変になることは目に見えていて、特に高齢者の方の貧困が問題になることが予想されており、2040年問題と言われています。

対策として、医療、介護、福祉の充実はもちろんですが、健康寿命を延ばすことも注目されています。

口腔内の健康が、全身の健康につながることは明らかになっていますので、歯科医療の立場から貢献できることが多々ありそうです。そこで、日本歯科医学学会が「2040年への歯科イノベーションロードマップ」というものを発表しています。

これは、2040年を一つの区切りとして、それまでに歯科医療が健康寿命の延伸に寄与するために、どのようなイノベーションが必要かを示したものです。

 

第1期(2019-2025年)、第2期(2026-2032年)、第3期(2033年-2039年)に分けられており、それぞれ目標があるのですが、目標の箇条書きを見るだけで結構面白かったので、少しご紹介します。

 

第1期(2019-2025年)

<スマホによる舌・口腔粘膜の検査が実用化>
カメラで写すと、舌の異常や、口内炎などを判定してくれるのでしょうか?胃カメラなどでポリープの発見をAIが行う時代になっていますので、アプリで気軽に口の中をチェックできるようになるかもしれませんね☆

<歯磨き用のマウスピースの開発>
これは、ぜひ開発してほしい!マウスピースをつけるだけで、歯磨きが完璧にできたら良いですよね。我々の治療は患者さんの歯磨きにかかっている部分もありますから、皆さんに歯磨き上手になってもらいたいと思っています。しかし、歯磨きは意外に難しいですし、歯科医院側が求める基準も高いので、なかなか「完璧です。」とは言いにくい(笑)そして、患者さんは、「また、歯磨きにケチをつけられた」と思ってしまいます。

しかし、それぞれの口にあった歯磨きマウスピースが作れるようになれば、お互いのストレスもなくなります。今は、口腔内スキャナーがあるので、歯科医院で口の3Dデータを撮影し、技工所やベンチャー企業で、小型歯ブラシが内蔵されたマウスピースが作れそうですよね。2025年までの開発を楽しみにしています!

 

第2期(2026-2032年)

<血液検査に変わる新たな唾液検査が開発>
唾液検査は随分進んでいるようです。新型コロナウィルスの検査も唾液でできたり、最近では遺伝子検査も唾液でできるようです。遺伝子検査は細胞のDNAを分析する検査ですから、唾液中に含まれる脱落粘膜の細胞を読み取るんでしょうね。しかし、血液検査レベルの検査が開発されるのはすごいです。ごく微量の成分を判定できるようにならなければならないので、分析機械の開発コストが高くて、検査料も高そう・・・。

でも、針をブスッと刺さなくてよくなるから、当たり前のように普及して、コストが下がれば大歓迎ですね☆ちなみに開発は2期ですが、実用化は第3期のようです。

<歯の神経と歯周組織の再生技術が実用化される>
これもすごいですよ!神経が再生できれば、我々にも患者さんにもとてもメリットがあります。神経を除去すると、痛みからは解放されますが、後々別の病態となって、再治療が必要なことが結構な割合であります。治療は大変だし、歯の寿命は短くなるし、良いことはほとんどないわけです。そんな神経を再生できるとなるのは最高です。たぶん処置方法としては、ものすごく厳密で、技術的に難しい治療になると思いますが、是非とも習得したいと思います!

 

第3期(2033年-2039年)

<塗り薬で口腔がんを治す治療が実用化される>
3期ともなると、半端じゃないですね!一般的ながんの治療は、切除、放射線、抗がん剤が主な治療方法ですが、おそらく抗がん剤の塗り薬ができるのでしょうね。全身投与の抗がん剤の副作用が辛いことは有名ですが、塗り薬になればかなり軽減されると思います。切除療法では、どうしても術後の機能障害が出てしまうのですが、塗り薬であればそれも少ないことが予想できます。素晴らしい!

<ロボットによる歯科支援システムが実用化される>
歯科支援というのが、どの程度なのかわからないのですが、病気の診断という点ではAIやビッグデータは非常の有効だと思います。例えば、虫歯が深くて、時々疼くような感じがあるという場合、我々は神経を残すのか、取るのかという選択に迷います。今までの経験や、知識をもとに判断するのですが、それが歯科医学的に正しいとはなかなか断言できません。しかし、膨大なデータが集まり、年齢、性別、症状、検査値等々を入力することで、治療の成功率が何%とAIがはじき出してくれる時代が来るかもしれません。それをもとにした治療は、術者も患者さんも納得できる治療になりそうですね。

当院でも扱っているインビザラインはAIを利用して矯正シミュレーションを作成しています。現在では世界で1000万人以上の症例数を突破しているので、膨大なデータが集まっています。この歯はこのように動かすのが良いということが分析されているので、より効率の良い矯正治療ができるようになってきており、これからも進化していくのは間違いないです。私たちも勉強してアップデートについていかねばなりません。

あとは、技術的な支援が実現可能かが気になります。医科では前立腺の手術で有名になったダヴィンチという手術ロボットがあります。近場では、藤沢市民病院や湘南鎌倉総合病院で導入されています。人間がロボットを操り、ロボットが非常に正確な動きをして、手術がなされます。

歯科治療は非常に細かい作業なので、精度の高いロボットは絶対有用です。しかし、医科での全身麻酔と違って、患者さんが動いてしまうリスクがあるので、それにどれだけ対応できるかが重要なんじゃないかと思っています。楽しみではありますが、コストが非常にかかるので、一般的になる日は遠そうですね。それとは別に私の思いもよらない範囲で、ロボット歯科が実現されそうです。

 

他にも様々な項目があるのですが、きりがないので、少しだけ取り上げてみました。

私にとって、歯科の未来予想は面白いものでした。

皆様もご自身に関係のあるジャンルの未来予想を調べてみると、面白いものが見つかるかもしれないですよ。

当院では、デジタル診療など、最新の治療方法も取り入れていますので、ぜひご興味ある方は藤沢にお住いの方も、そうでない方もご連絡ください。

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