こんにちは。藤沢ギフト歯科・矯正歯科の黒木です。

今日のテーマは「マウスピース矯正のメリット、デメリットについて」です。

当院では開業当初からインビザラインというマウスピース矯正システムを導入しておりますが、それはこの治療が患者さんにとっても、医院にとっても良い治療だと思っているからです。

とは言っても、もっと改善していくといいなと思うことも多々あるので、その点も含めて記載いたします。

 

マウスピース矯正(主にインビザライン)のメリット

見た目が良い

透明のマウスピースによる矯正治療なので、人に気づかれることがほとんどありません。私が使用していた時は、歯医者の知人に会っても気づかれませんでした。

治療のゴールを共有できる

インビザラインではクリンチェックというシミュレーション動画を作成して、治療計画を視覚化します。どのような経過を辿り、どのようなゴールに向かうのかを患者さんと術者側で共有できるので、治療の目標がはっきりします。また、治療に対するモチベーション維持にもつながります。

虫歯のリスクが低い

取り外して歯磨きをいつも通りできるので、治療中に虫歯になるリスクが低いです。

痛みが少ない

ワイヤー矯正とインビザラインの痛みを比較した研究があります。これによるとインビザラインの方が痛みが少なかったという結論が出ています。確かに、痛くて治療ができないという方は今の所1人もいらっしゃいません。私自身インビザラインを経験して、全く痛くないということは無いものの、辛いと感じたことはありませんでした。むしろほんの少し痛いことで、「ちゃんと力がかかってるんだな。」と思えます。

→論文に関してはこちら。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25416143/

食事制限がない

マウスピースを外して食事をするので、特に制限はありません。ワイヤー矯正だと、硬いものや粘着力の高いものを食べることで、装置が外れることがあるため、控えるように指示するのが一般的です。一方、インビザラインでは、食事の時間制限があります。ちょっとお菓子が食べたいなぁと思っても、マウスピースを外すと歯の移動が中断するので、気軽に間食ができません。当院では、「マウスピースを外すのは朝昼晩の食事と、1回のおやつタイムに留めておいてください。」とお伝えしています。生活リズムが整って良いとぜひプラスに捉えてください。

活動制限が少ない

コンタクトスポーツでは、マウスピースがマウスガードの役割をある程度果たしてくれます。また、管楽器の演奏時などは、マウスピースを外ればいつも通り演奏できます。

来院頻度が少ない

忙しい現代人にはアドバンテージになりますね。当院ではアタッチメントの設置や、IPR(隣接面削合)のタイミング以外は、基本的に2ヶ月に1度のチェックにしています。3ヶ月に1回の設定にしている医院や、来院不要の遠隔診療ツールを導入している医院もあるので、今後はさらに来院の頻度は減るかもしれません。

 

マウスピース矯正(主にインビザライン)のデメリット

歯並びによっては苦手な症例がある

歯の根を大きく動かさなくてはいけない場合は、インビザラインで思うように歯が動かず、期間が延びることがあります。補助的にワイヤーを使用したり、インプラントアンカーを使用してマウスピース矯正の弱い部分を補いながら、治療を進めます。「歯が埋まっている部分の骨(歯槽骨)の出っ張りを矯正治療で引っ込めたい」という方が時々いらっしゃいますが、この出っ張りを解消するには、まさに歯の根を大きく動かす必要があるので、不可能とは言いませんが、マウスピース矯正では難しい動きです。マウスピース矯正で改善できること、できないもしくは難しいことをしっかりお伝えした上で、治療するのか判断してもらう必要があります。

予測実現性がまだ低い

インビザラインではクリンチェックというシミュレーションを作成し、そのシミュレーションをもとにマウスピースが作られます。しかし、実際に治療を始めると、ちゃんと規定時間使っているのにも関わらず、予定通りの動きにならない事が多々あります。冷静に考えれば、それぞれ個別の人体に存在する歯が、平均的なデータで作られたシミュレーション通りに動くわけがないのですが、我々も患者さんも目に見えるシミュレーションにどうしても期待してしまいます。実は、確実性の高い動きでも70%程度の精度だと言われています。これを踏まえて、シミュレーションを作り、しっかり患者さんに説明できるかが肝心です。品質は確実に良くなっていきますので、今後の予測実現性の向上に期待しています。

リカバリーにワイヤーが必要な可能性がある

ワイヤーをつけたくないから、インビザラインを選択したのに、歯の移動が思うように行かずに一時的にワイヤーでの治療が必要になってしまう、ということがあります。患者さんとしてはがっかりですし、こちらとしても悔しい限りです。最近、リカバリーテクニックの書籍が出版されて、ワイヤーを全体につけることなく、部分的な設置で改善する方法や、ゴムのかけ方を工夫する方法などが紹介されていました。インビザラインジャパン社からも、今後リカバリーのツールが発表されるのではないかと思っています。

患者さんのモチベーションにかかっている

ワイヤー矯正では、術者が装置を調整することが治療のメインであり、患者さんが行うことはあまりありません。

一方、マウスピース矯正の成功のためには、患者さんの高い協力が不可欠です。治療計画や治療経過よっては、最も動かしたい部位を動かす前に、再度シミュレーションを作り直す必要が生じる場合があります。「ちゃんと使ってるのに、なぜ上手くいかないんだ!」とがっかりされる方もいるでしょう。そんな時にモチベーションはガクッと下がってしまいます。モチベーションの低下とともにマウスピースの使用時間が減ってしまったりすると、予定通り動かない→追加治療→モチベーションの低下、という負のループに陥ります。それは避けなければなりません。規定通りマウスピースを使っていただくことを前提としますが、患者さんがモチベーションを保てるように、歯科医院側では様々な対応が必要です。具体的には、しっかり説明する、経過の写真を見てもらって動いていることを確認してもらう、励ます!などの対応を行なっています。

 

今回はマウスピース矯正(主にインビザライン)のメリット、デメリットについて記載しました。治療を検討されている方はぜひご参考ください。

当院スタッフのブログ「インビザライン体験記」では、良いことも悪いことも赤裸々に書いておりますので、合わせてお読みいただけると治療に関してよりイメージが湧くと思います→https://www.gift-dental.com/category/インビザライン体験記/

藤沢にお住いの方も、そうでない方もインビザラインのことでご相談があれば、藤沢ギフト歯科・矯正歯科まお気軽にご連絡ください。

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