こんにちは。藤沢ギフト歯科・矯正歯科の黒木です。

今回はフッ素にまつわる恐怖情報の中で、「海外では禁止されている。」などの文言を見かけたので、その点を調べていきたいと思います。私も興味があります。

以下がネット上で目に入った情報です。

・WHOが1994年に6歳以下の子へのフッ素洗口を禁止するという見解を出した。
・アメリカでは10代の子供の40%以上にフッ素症が認められる。
・ドイツ、スウェーデン、オランダではフッ素の使用を中止している。
・1991年にアメリカの食品医薬品局(FDA)がフッ素入り歯磨きを毒物と認定。

 

これらを検証したいと思います。

フッ素にまつわる国際動向① WHOが1994年に6歳以下の子へのフッ素洗口を禁止するという見解を出した

これは事実でした!  WHOのレポートはこちら→https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/39746/WHO_TRS_846.pdf?sequence=1&isAllowed=y

レポートの33ページ、結論のところに、6歳以下のフッ素洗口は禁忌と書いてあります。禁忌とはやってはいけないという意味ですね。理由は6歳以下の子供はフッ素洗口剤を吐き出さずに飲み込んでしまう可能性が高いので、その他の理由で摂取するフッ素と合わせると総量が多くなってしまうからです。

この点に関してはこちらに詳しく書いてありますので、ご参考ください。→https://www.jda.or.jp/park/prevent/index05_10.html

ちなみにこのページでは、「禁忌」ではなく、「推奨されない」とニュアンスを弱めて書いてあります。WHOのレポートの本文では、”not recommended”と書いてあるので、「推奨されない」で良いかもしれませんが、結論では”contraindicated(禁忌)”とあるので、WHO的には禁止と言いたいのでしょう。

しかし、フッ素洗口とフッ素入り歯磨き粉は違うものです。WHOは同じレポート内で”Everyone should be encouraged to brush daily with a fluoride toothpaste(誰もがフッ素入り歯磨き粉で、毎日歯磨きをすることが奨励されるべきです)”と書いています。

6歳以下の子供は、ほんのちょびっと(5mm以下の量)のフッ素入り歯磨き粉にしてね。とも書いてあります。

 

フッ素にまつわる国際動向②アメリカでは10代の子供の40%以上にフッ素症が認められる。

残念ながらこの情報に関しては、詳細な情報や文献が見つけられませんでした。

この数値がアメリカ全体の話なのか、水道水へのフッ化物添加がなされている地域に限った話なのかでも意味合いは大きく変わってくるかと思います。

しかし、それらしき文献を見つけられなかったので、この場では何も語ることはできません。新情報があれば追記いたします。

ドイツ、スウェーデン、オランダではフッ素の使用を中止している。

さて、こちらに関しても同じようなホームページばっかり出てきて、詳細がわかりませんが、これらの国はフッ素の水道水への添加を行なっていないようです。→http://www.nponitif.jp/newpage51.html

少なくともオランダは途中までフッ素の水道水添加を行なっていたようなので、「フッ素の使用を中止」と書いても間違いではないですが、あくまで水道水への添加の話です。

歯磨き粉や洗口剤にはフッ素入りのものは普通にあります。スウェーデン在住の方の記事→https://life-designs.jp/webmagazine/tandlakare/

また、当院スタッフの知人がドイツ在住なので、ドイツの歯磨き粉の写真を送ってもらいました。

たくさんの歯磨き粉がありますが、フッ素は中止などされておらず、含まれておりました。公平のため付け加えておくと、日本と同様にフッ素無配合の歯磨き粉も販売されております。

以上から、歯磨き粉へのフッ化物の添加は各国で中止されていないことが分かりました。

 

1991年にアメリカの食品医薬品局(FDA)がフッ素入り歯磨きを毒物と認定。

さてこれはどうでしょうか?調べてみると、1997年っぽいです。ま、それは良いとして、実際にフッ素入り歯磨き粉にはパッケージに以下の記載が必要になったと思われます。

「通常に使用する以上の過剰の歯磨き粉を間違って飲み込んでしまった場合には、専門的な処置を受けるか、直ちに毒物コントロールセンターに連絡してください。」

というものです。

これをもって毒物だと騒ぐのは、過剰反応ではないでしょうか。フッ素には急性中毒があるので、その注意喚起ですね。「お酒は飲みすぎないように。」と同じような文言と捉えて良いでしょう。

 

フッ素にまつわる国際動向 まとめ

今回の調査で分かったことは以下です。

WHOは6歳以下の子供のフッ素洗口を禁止しているが、フッ素入り歯磨き粉の使用を全ての人に推奨している。
アメリカで歯のフッ素症が多いのかどうかは資料が見つからないのでわからない。
ドイツ、スウェーデン、オランダでは、フッ素入り歯磨き粉の販売を中止していない。
FDAはフッ素入り歯磨き粉に「通常使用量以上を間違って飲んだら、直ちに専門的処置を受けるか、毒物コントロールセンターに連絡する」ことを記載するよう求めている。

 

3回にわたって、フッ素の恐怖情報について調べてきました。通常の使用方法であればフッ素入り歯磨き粉は安全ですが、危険を喚起するためのネタもたくさんあるということが分かりました。

フッ素入り歯磨き粉は危険なのか?フッ素の歴史や恐怖情報について①

フッ素入り歯磨き粉は危険なのか?フッ素の歴史や恐怖情報について② 副作用編

これらのブログが各個人のフッ素に関する情報を整理するための一助になれば幸いです。

虫歯の予防に興味のある方、フッ素に関する疑問をお持ちの方は、藤沢市にお住いの方も、そうでない方も藤沢ギフト歯科・矯正歯科までご連絡ください。

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